EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 寮から出てきて廊下を走る。

中央の螺旋階段を下りながら先頭のルカは小鳥の手を握ったままアルトに話し掛けた。

「アルト!出口どこだっけ!?」

「もっと下!俺が案内するよ。ついて来て!」

「アルトさん!?いたんですか!?」

「ヒッドーイ!それはないっしょ小鳥ちゃん!俺大活躍だったのに~」

アルトがわざとらしく落ち込んでみせると、後ろから追いついたオーレリアンが怒鳴った。

「嘘つけ!何が大活躍だ!こっちは酷い目にあったぞ!」

「アハハハ!ごめんごめん!てか全員ついて来てる?大魔王とかムチ野郎の姿が見えな――」

「誰がムチ野郎なのかな?」

後方から飛んできた穏やかな声に肩をびくつかせるアルト。

走りながら恐る恐る振り向けば、オーレリアンやフェオドールの後ろに静理達の姿が見えた。

「げっ!!いるし!!」

「大魔王は僕のこと?一回殺してあげようか?」

「遠慮しますっ全力で!」



こうして唯一の出入口がある階まで下りてきた八人は、逆五芒星の描かれた扉を待って脱出したのだった。







< 437 / 505 >

この作品をシェア

pagetop