EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「フウ、ここまで来れば大丈夫っしょ」
アルトが笑顔で安全を宣言。
彼らは軍の敷地内から出て最寄りの駅までやって来た。
「あの…皆さん、ありがとうございました…!私のために、わざわざ…」
落ち着いたところで、皆に向かって小鳥が頭を下げる。
「本当、面倒だったけど“わざわざ”家畜のために走り回ってやったんだ。もっと感謝しろよな」
末っ子の言葉を聞いた静理はクスリと思い出し笑いをした。
「そんなこと言って、オーレリアン。カロンからのメールを見た瞬間、血相変えて俺よりも先に居間を飛び出したのは誰だったかな」
「チッ……静理ウザイ。黙ってろよ」
睨んでいるとカロンの手が伸びてきた。
「はいはい。照れない照れない」
またもや大嫌いな兄に頭を撫でられる。
「う、うるさい!撫でるな!!」
耳を赤くして言い返すオーレリアンを小鳥が微笑ましく見守っていると、いきなり背中に白魔がのしかかってきた。
「きゃ!?白魔さん…?」
「ねえ、いつまでルカと手を繋いでるの?妬いちゃうんだけど」