EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
嬉しくて涙目になる小鳥を面白そうに観察しつつ、静理はカビたパンを回収した。
「これは棄ててしまおうね。もうちょっと待っててくれないかな。暇なルカにでも新しいパンを買いに行かせるから」
「はい。ありがとうございます」
そのまま出て行こうとした静理だが、ふと立ち止まり振り返った。
「もし良ければ、これから屋敷の中を案内するけど…。先に荷物を解く?」
「案内して下さるんですか…!?」
「うん」
広い屋敷内、しかも吸血鬼ばかりのここで迷子になることは避けたい。
「お願いします!」
小鳥は張り切って返事をした。