EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

嬉しくて涙目になる小鳥を面白そうに観察しつつ、静理はカビたパンを回収した。

「これは棄ててしまおうね。もうちょっと待っててくれないかな。暇なルカにでも新しいパンを買いに行かせるから」

「はい。ありがとうございます」


そのまま出て行こうとした静理だが、ふと立ち止まり振り返った。

「もし良ければ、これから屋敷の中を案内するけど…。先に荷物を解く?」

「案内して下さるんですか…!?」

「うん」


広い屋敷内、しかも吸血鬼ばかりのここで迷子になることは避けたい。

「お願いします!」

小鳥は張り切って返事をした。





< 44 / 505 >

この作品をシェア

pagetop