EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「小鳥……好きだ」
すぐに離れた彼の唇から愛が告げられる。
「初めて会った時から…あの雪の日から…ずっと…。君は人間で、俺は地下でしか生きられないから、何度も忘れようとしたけど……結局、君の記憶は消せても自分の思い出は消せなかったんだ」
心に灯った初恋の炎は大切に取っておいた。
ロウソク一本分くらいの小さな炎だったが、吹き消すことなどできなくて。
「また会えた時、運命だと思った。また君の笑顔が見れるなんて……俺にとっては奇跡なんだ。だから…!」
続けようとしてルカはハッと目を見開いた。
目の前の小鳥が泣いている。
はらはらとこぼれ落ちる涙。
それは重ねたルカの手に優しく降り注いだ。
「ありがとう…ございます…」
小鳥は泣きながら笑った。
「ずっと私のこと……覚えてて、くれたんですね…」
ひとりぼっちが多かった。
家でも、学校でも。
(寂しいから…誰かに自分を見てほしかったけど……他人と付き合うのは苦手で…)
忙しい母親にも素直に甘えられず「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」の繰り返し。
(“私は大丈夫だ”って自分に嘘ついてたあの頃に、自分のことを思ってくれてる人がいたなんて…)
「私は…贅沢者だったんですね。ルカくんみたいなステキな人に、思ってもらえてたなんて…」