EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
手で涙を払いながらゆっくり心の声を語る小鳥。
そんな彼女の全てが切なくて、ルカは自然と両腕で小鳥を抱きしめていた。
「小鳥は独りじゃないよ。自分が世界でひとりぼっちだなんて思わないで…」
「はい…」
「俺がいるから」
「はいっ…」
ルカの背中に手を回し、小鳥自らも抱き着く。
互いに心が落ち着くのを感じながら、不意に小鳥が口を開いた。
「あの…ルカくん」
「ん…?」
「私も……ルカくんが好きです」
「え…」
「大好きです」
告白の返事を伝えただけなのだが、なぜかルカはビックリ仰天。
飛び上がる勢いで小鳥から手を離した。
「っえええええ!!!!ま、待った!どういうこと!?これ夢だよな!?絶対夢落ちだろ!わかってんぞ!」
熱っぽい自分の頬を両手でムニッと触るルカ。
彼の行動を可愛く思いながら小鳥は苦笑した。
「夢じゃ、ないですよ」
「え…じゃあ……小鳥も、本当に俺のことを…?」
「はい…」
聞き直されて恥ずかしそうに返事をする。
小鳥の反応を確認してようやく現実だと理解したルカは照れながら笑顔を作った。
「嬉しい…!ありがとう小鳥!」
「あの、なら迷惑でなければ明日……ルカくんを選んでもいいですか?」
「もちろん!」
曇りのない笑顔を浮かべるルカにホッと安堵する。
こうして小鳥は明日、ルカを選ぶと約束したのだった。