EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 それから自室に戻り、再び柩の中に横たわった小鳥。

目を閉じて、先程のことを思い出す。


(ルカくんに、キスされた…)


前みたく鎖骨ではない。

唇だった。

今更、身体が熱くなる。


(好き……ルカくん)


前から自身の気持ちには薄々気づいていた。

ルカを意識して、よく目で追いかけるようになって。

手が離れると寂しくて、距離が近づくとドキドキして。


(明日から、もっとルカくんの傍にいられるんだ…)


未来を想像して小鳥の頬が緩んだ時だった。



――コンコンッ



静かなノック音が響いた。


(ルカくんかな?)


起き上がり、高ぶった気持ちのまま部屋の扉を開ける。


「やあ」


てっきりルカだと思っていた小鳥は固まって目を丸くした。


「白魔、さん…?」


「どうしたの?幽霊でも見たような顔してさ」

「あ、いえ!すみません!」


< 449 / 505 >

この作品をシェア

pagetop