EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 部屋を出てすぐ目の前が居間だった。

「居間には出入り自由だから。いつでもおいで」

静理がドアを開けながら教えてくれる。

居間は全体がロココ調で、テーブルやソファー、その他の家具は白や黒を基調に、濃い赤をアクセントとしたデザインが多い。


「ここにはテレビがあるから、見たかったらつけていいよ」

「はい」


テレビの説明を受けていると、ソファーの裏から猫が喉を鳴らすような音が聞こえてきた。

「え?今のは…」

「チッ、カロンの奴。またか」

静理が舌打ちをしてソファーに近寄る。

小鳥も好奇心から近づいた。


「小鳥ちゃん、気をつけて」

なぜ注意をされたのか疑問に思ったが、鳴き声の正体を見て小鳥は納得した。


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