EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「へー。小動物は白魔を選んだか。意外」
「馬鹿でしょ。白魔を選ぶとか、殺されたい願望でもあるわけ?」
カロンとオーレリアンがそれぞれ思ったことを述べるなか、ルカは小鳥に一歩二歩と近寄った。
「小鳥…どういうこと?なんでっ…なんで白魔なんだよ!俺が好きだって…俺を選ぶって約束したじゃないか!!嘘だったのかよ!!」
「おや?ルカと約束していたのかい?」
ジェラルドが不思議そうに小鳥を見る。
すると、小鳥は小さく首を傾げた。
「約、束…?……ごめんなさい…私には白魔さん以外、考えられません」
「小鳥っ!!」
傷ついた表情でルカが怒鳴る。
ルカの内にある狂気が目覚め、そのまま小鳥を八つ裂きにしてしまいそうになったが、いつの間にかやって来たフェオドールによって大惨事は免れた。
「やめろ。ルカ」
暴れるルカの肩を掴みながらフェオドールは長男を無表情で見つめる。
「白魔……フェアじゃないな」
「当たり前さ。一つしかないものを奪い合うんだから」
ククッと笑うと白魔は小鳥に囁いた。
「部屋に戻ろう。僕のプリマドンナ」
「はい」
これ見よがしに小鳥の腰に手を回すと、白魔は奪った少女を伴い居間を後にした。