EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「白魔を褒めてないで小鳥のことをどうにかしてくれよ!フィアンセの話、正気に戻ったら絶対俺を選んでくれるはずなんだ!」
「正気に戻った小鳥ちゃんがルカを選ぶなら私はそれに対して文句などないよ。しかし、白魔が黙って見てるとは思えない。どうするんだい?」
ニヤニヤとこの状況を楽しみながらジェラルドはルカに問う。
すると、ルカはゴクリと唾を呑んでから覚悟を決めた眼差しを見せた。
「……駆け落ちする」
言った瞬間、周りの空気が張り詰めた。
全員がルカに注目する。
「小鳥は俺のことを好きって言ってくれたんだ。白魔になんか絶対渡さない!」
牙を剥き出して宣言すると、緊張した空気に一人分の拍手が響いた。
ジェラルドだ。
彼は上機嫌でソファーから立ち上がる。
「よく言った!それでこそ我が息子、ルカ・クラヴィエだ」
「父さん…」
「そういうことなら駆け落ちの手助けをしてあげよう」
「えっ、マジで!?」
目を丸くするルカにウインクを送ると、ジェラルドは誰かに電話をかけ始めたのだった。