EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
そこで会話は終わった。
聞き耳を立てていた小鳥が扉から離れたと同時に白魔がシアターへ入ってくる。
「聞いてたかな?そういうわけだから、着替えようか」
「…ここで着替えます。白魔さんは、出てって下さい」
新しい桜色のワンピースを受け取りながら素っ気なく言うと、白魔が猫のように擦り寄ってきた。
「つれないなぁ。また手伝ってあげるよ?」
「い、いいですっ!というか白魔さん、なんで女ものの服いっぱい持ってるんですか!?」
「ああ、この前衝動買いしちゃったんだ。小鳥に似合いそうなやつをね」
「そ、そうだったんですか…」
教えてないのになぜかどれもこれもサイズがピッタリなのだが、あえてそこには触れず納得しておく。
「いずれ全部君にあげるつもりだったんだよ」
チュッと頬にキスをされ、ドキリ。
上目遣いに白魔を睨んでやれば、彼は妖しく笑いながらシアターを出て行った。