EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「ルカ、くん…私……ちょっと…」

「ん?何?どうしたの?」

「ちょっと、考える時間を…下さい」

迷っている小鳥を見て、ルカは目を丸くした。

小鳥の答えは一つだと信じていた彼にとって、この展開は予想外。

スッとルカの瞳に狂気が宿る。


「……なにそれ」


低い声だった。

「考える時間?必要なの?なんでよ。小鳥は、俺のことが嫌いになったの…?」

「ちが…!違います!」

「ならなんで!すぐ頷いてくれないの!?意味わかんないよ!」

怒鳴られた瞬間、牙が見えて小鳥は恐怖に顔を引きつらせた。

小鳥の怯えた表情を一瞥すると、ルカは深い溜息を吐いて腕を組み、そっぽを向いた。

「ハァ……なんだか小鳥にもてあそばれてる気分だ」

口調から苛立っているのがわかる。

「そんなつもりは…!」

「じゃあ頷いてよ。俺と一緒に行きたいですって言ってよ」


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