EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
威圧的な鋭い瞳。
逆らってはいけない。
「い、いきたいです。ルカくんと一緒に…行きたい」
これを聞いた時、やっとルカは微笑んだ。
「うん。そうだよね、小鳥。行こう」
小鳥の手を取り部屋を後にする。
ルカに手を引かれ廊下を歩きながら、小鳥は諦めたように俯いた。
(ごめんなさい、白魔さん…)
白魔を酷いと思ったこともあったが、だからといって傷つけて復讐したいわけじゃない。
しかし、こうなってしまったからには仕方ない。
後ろめたい気持ちを抱えつつエレベーターの前へ。
「あれ?ルカくん、このエレベーターは…」
「こっちでいいんだよ。俺達が向かうのは、地上だからさ」
連れて来られたエレベーターは地上へ上がるためのものだった。
前にも一度乗ったことがあるそれに乗り、上を目指す。
ルカの父、ジェラルドが駆け落ちの手助けとして用意してくれたのは地上にあるあのホラー屋敷だった。