EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「あの屋敷で暮らすんですか!?ルカくんと、二人…!?」
エレベーターが地上に到着するまでの間、ルカは小鳥に「駆け落ち計画」を説明した。
「そう。父さんが住めるように色々準備してくれたんだ。業者に頼んで窓にシャッターつけたりしてたから時間かかったけど」
話しながらエレベーターから降りる。
目の前にある縦に細長い廊下はホラー屋敷の一部だ。
二人が歩き出すと廊下の壁についている小さな電球に灯が点った。
「あっ、窓が」
ルカの言った通り廊下の窓には全て遮光のためにシャッターが取り付けられていた。
「俺達は太陽の光がダメだからさ。これだけは徹底しとかないと」
「そうですよね…」
彼が闇人――吸血鬼だと改めて思い知らされる。
(ルカくんにとって地上は危険なところなんだ)
それなのに、隠れ場所として彼はここを選んだ。
「あの、どうしてここにしたんですか?いくら窓を塞いでも、やっぱりルカくんにとって地上は危険なんじゃ…」