EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
ルカも幽霊のたぐいは苦手なようだ。
遊園地でのことを思い出しながら小鳥は二人にとって都合の良い提案をした。
「あの…私も怖いので、一緒にいてくれませんか…?」
涙目プラス上目遣い。
明らかに怯えている小鳥を突き放せないルカは、ちょっと考えてから頷いた。
「…うん。いいよ。俺も怖いし…小鳥を一人にさせるのも不安だし」
「ありがとうございます!じゃあ…どうぞ」
掛け布団をまくり、そそっと横に詰める。
小鳥の隣を提供されたルカは嬉しいような困ったような、複雑な表情を見せた。
「えっ、その……入っていいの?」
「ダメですか…?なるべく近くにいてくれた方が、安心なんですけど」
「こ、小鳥が安心するなら!………お邪魔します」
耳を赤らめつつ遠慮がちにベッドの中へ。
互いに横向きになって向かい合う。
「おやすみなさい、ルカくん」
「うん。おやすみ」
優しく微笑むと、ルカは小鳥の手をそっと握った。
「ルカくん…?」
「大丈夫。俺がいる」
安心して眠れ。
そう聞こえた小鳥は先程までの恐怖が嘘だったように、穏やかな眠りに落ちた。