EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「って、なんでカロンがいんだよ!」

「新婚さんごっこを邪魔しに来た」

「新婚さんじゃない!!」

律儀に兄のセリフにツッコミを入れていると、別の声がした。

「ルカ、マドモアゼル」

「フェオ!」

「フェオさん!?」

壁に寄り掛かるようにして立っていたフェオドール。

彼はコツコツと靴音を響かせ寝台に近寄った。

「報告しに来た。白魔のこと」

「どう?暴れてる?」

皮肉げに問うルカ。

するとカロンが溜息をついた。

「スゲー剣幕だったぜ?親父が戻っちまったから今は静理に八つ当たりしてる」

「静理さん、大丈夫なんですか…?」

「ん。あいつは意外と強いから、ヘーキ」

カロンに頭を撫でられ、ちょっぴり安堵する。

「白魔が危険だから当分地下には戻らない方がいい。二人ともだ」

フェオドールが簡潔にまとめ、ルカが真剣な眼差しで頷いた時だった。



――ぐうぅぅ~



カロンの腹が盛大に鳴った。


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