EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「ふふっ、見つけた。僕のプリマドンナ」
閉めきった窓。
電気もついていない薄暗い状態だったが、声でわかる。
白魔だ。
「白魔、さん…?」
「そうだよ。僕さ」
彼は怒りなど微塵も感じさせない穏やかな口調で言った。
「悪い子だね、小鳥は。僕を独りぼっちにするなんて」
どこか楽しげに、怯える小鳥がいるベッドへと近寄ってくる。
「ねえ、君はルカに無理矢理連れ出されて仕方なくここにいた…ってことだよね?そうなんでしょ?まさか……自分から求めたわけじゃないよね?」
徐々に低くなる声。
「ルカを、さ」
次の瞬間、小鳥の首筋にヒンヤリとした固いものが当たった。
「あっ…!」
ナイフだ。
「ククッ…ハハハ!震えちゃって、可愛いね。もっと僕を恐れてよ。恐怖に支配されている間は間違いなく、君は僕のものなんだから」
耳元にかかる白魔の吐息。
至近距離にいる彼から離れようと身体を動かそうとした時だった。
ポタリ、と小鳥の頬に水滴が落ちてきた。