EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「白魔さん…?」
「ん?何?小鳥」
「泣いて…いるんですか…?」
目に慣れない闇でハッキリとはわからないため、勘を頼りに彼の頬へそっと手を伸ばす。
しかし、その手は白魔によってパシッと掴まれ、動きを止められた。
「……泣いてなんか、いないさ」
小刻みに震える彼の手。
握られたそこから白魔の動揺が伝わってくる。
「僕は…怒っているんだ。悲しくなんてない!悲しくなんか…!」
「白魔さん…それは……悲しいって…聞こえます」
「っ…!うるさいっ!!裏切り者!!」
首筋に当てがわれていたナイフが肌に食い込んだ。
瞬間――。
「何してんだよ!!」
薄闇に動いた、ルカの金髪。
「小鳥を放せ!」
白魔に向かって飛び掛かるも、小鳥の血がついたナイフを投げつけられ、ルカは後退を余儀なくされた。
「放さない…。放すもんか!小鳥は今から僕の永久なる愛情を受け入れるんだ。何者にも侵させない。ルカ、君にだって…!」