EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
ルカが我に返ったのは、小鳥の身体がグッタリしていてピクリとも動かないことに気づいた時だった。
「え……?こ…小鳥?あ、あれ…?俺は……何を、して…!?」
血の味が残る口内に驚愕し、自分の口元を恐る恐る指で触る。
「っ…!?」
ぬめりとした血液の感触。
自分の犯した罪を否定するようにルカは慌てて口の周りを袖で拭った。
「小鳥!小鳥っ!!」
肩を揺さぶって呼び掛けるも、目覚める気配はない。
閉じられた瞼。
血の気のない顔。
そして、失われた鼓動。
「え……嘘だろ…小鳥…小鳥!小鳥小鳥、小鳥ぃいい!!」
「なに焦ってるのさ。自分で殺しておいて」
傍にいた白魔が悠然と笑う。
「ああ…でも悔しいな。君がしゃしゃり出てこなければ小鳥は完全に僕のものになっていたのに。これじゃあ中途半端だ。イライラするよ」
「……俺が……殺し、た…?」
「記憶、ないの?血に狂うって怖いね」
ベッドに腰かけていた白魔は立ち上がると、未だシーツの上で小鳥を抱きしめているルカを見下ろした。
「ハッキリ教えてあげるよ。君と僕で小鳥を吸血したんだ。彼女が……死ぬまでね」