EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「どういう意味だ、ルカ」
鋭い眼差しを弟に向けフェオドールが尋ねると、ルカではなく白魔が口元に笑みを浮かべて質問に答えた。
「どうもこうもないよ。ルカは吸血する僕を止めなかったのさ。それどころか、一緒になって僕のプリマドンナの血を…」
「言うなっ!!わかってる…!わかってる自分の罪くらい!!」
悲鳴とも怒声とも取れる叫びを上げて小鳥をきつく抱きしめるルカ。
「小鳥……ごめん…」
かすれた声で囁いて、額に優しい口づけを。
それからルカは動かない少女を抱き上げて、シャッターの下りた窓辺に近寄った。
「これで赦されるなんて……思ってないけど…」
グッタリした小鳥の身体を支えながらシャッターへと手を伸ばす。
今の時刻は昼。
外は太陽が出ている時間だ。
「やめろルカ!!」
ルカの行動の意図を察したフェオドールが声を張り上げるも、聞く耳持たず。
ルカはシャッターを勢いよく押し上げ、窓を大きく開いた。
柔らかな日の光が四角い窓から薄暗い室内に入り込み、ルカと小鳥を照らす。
「うっ……あ゙あ゙ぁあああああっ!!!!!」
太陽の光に包まれたルカは断末魔のような悲鳴を上げた。
腕の中に小鳥を抱いたまま、ルカの身体だけが焼けていく。