EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「ぐっあ゙あああっ!!!!」
(こんな痛みくらいで、叫ぶなっ!!小鳥は……もっと痛かったんだっ…!!)
身体も、心も――もっと、もっと。
(俺に裏切られて………痛かったはずだ…!!)
ジューッという音と共に焼かれていく肌。
ゆっくりと手や顔の皮膚がどろどろになっていく。
「ルカ!!!!」
不意に大きな影がルカの身体を覆った。
「え…?」
見上げれば、太陽に背を向けて自分を庇うカロンの姿。
カロンは直ぐさまルカと小鳥を抱えると、窓辺から日の当たらない壁際まで遠ざかった。
「あんたっ、馬鹿か!!」
滅多なことでは怒鳴らないカロンがルカの胸倉を掴み、怒りを爆発させる。
「こんなことして、意味あんのかよ!」
「……自分を、罰したいんだ」
「ハッ、エゴイストにも程があるだろ」
ルカの赤く爛れた頬や首を睨み、カロンは瞳に侮蔑を孕ませた。
「罰だかなんだか知らないが、そういうのマジ迷惑」
「迷、惑…?」
「当たり前だろ?自分だけ楽になろうとか、ちょー迷惑。小鳥に死なれて、あんたにも死なれて……俺らがどんだけ不快になるか少しは考えてみたら?」
周りの見えていなかったルカはハッとなって俯いた。
「ルカ…地下へ戻ろう。早く傷の手当てをした方がいい」
不安げな表情のフェオドールがルカの肩にそっと手をかける。
ルカは兄の意見に小さく頷いた。
「ほら、貸せよ。小鳥の身体」
「え…」
未だ小鳥を抱きしめて離さないルカに対し、腕を広げるカロン。
「俺が運ぶ。今のあんたには任せらんない」
渋ったルカだったが、最終的にはカロンの腕に最愛を委ねたのだった。