EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
母親の再婚相手には、すでに六人も子供がいるらしい。
しかも全員息子。
一人っ子の小鳥にとって、兄弟が増えるのは嬉しいことだったが、不安もあった。
(仲良くなれるかな?)
怖い男子ばかりだったらどうしよう。
(仲良くできるといいな)
長く母子家庭だった上、母親は仕事でしょっちゅう家にいないため、兄弟や家族は小鳥の憧れだった。
将来、もし自分が結婚したら人数が多くて明るい家庭を作るのが彼女の夢だ。
「えっと…確かこの辺りだよね」
地図と住所を確認しながら夕暮れ時の町を一人歩く。
荷物はさほど多くない。
もともと私物が少ないゆえ、スポーツバッグ一つに全て収まってしまった。
「え?ここ…?」
目当ての住所を発見し、小鳥は呆気に取られた。
「ここって…」
二階建ての巨大な洋館。
「あのホラー屋敷…」