EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
あの日、死んだ小鳥の身体は墓に入ることなくオーレリアンに預けられた。
そして、オーレリアンの悲願である「死者のクローン」の研究に用いられた。
彼は長い時を要したが、最終的に研究を成功させ、二人のクローン人間を生み出した。
一人は自分の母親、マリアンヌ。
もう一人が小鳥である。
しかし、今は小鳥しかいない。
マリアンヌのクローンは生まれてすぐ、ジェラルドに殺されてしまった。
――なんてことをしたんだオーレリアン!!
父親は怒鳴った。
――こんなこと間違っている!マリアンヌは……お前の母親はこの世で一人だけだ。代わりなど、いたらおかしい!
本気で怒ったジェラルドはマリアンヌの次に小鳥のクローンまでも殺そうとした。
しかし――。
――小鳥は俺達のだ!!父さんには渡さない!!
父親の手から愛しい命を奪い返したルカ。
その後、何度も言い争いになり六人の兄弟全員が父親に反発。
結果、凄まじい執念に囚われている息子達の前で、とうとうジェラルドが折れた。
マリアンヌを生み出すことを許さない代わりに、小鳥の存在は見逃してやる。
これが繰り返される小鳥の運命の始まりだった。