EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
まさかと思いつつ、もう一度住所を確認した。
門の横にある薄汚れたプレートにはローマ字で住所と苗字が書かれている。
「住所、あってるし…。苗字は…カミジョウ?」
苗字は初めて知った。
「私、カミジョウ小鳥になるのかな?」
なんて独り言を言いながらインターホンを探す。
が…。
「ない!インターホンがないよ!」
どうしようと頭を抱えながら門ごしに屋敷を見つめる。
「………もしかして、屋敷の玄関にあるのかな?」
門にないなら玄関前まで行かなければ。
小鳥は恐る恐る門に手をかけた。
(開くかな…?)
彼女の心配は杞憂に終わった。
すんなりと開いた門を通り過ぎ、小鳥は屋敷の玄関に向かって一歩踏み出した。