EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「噛まれた後に歩けないほど怠くなってるってことは、僕の薬使われたんだろ?あの薬、確かに麻酔効果はあるけど副作用がヤバイから、お前このままじゃ悶え死ぬよ」
(副、作用…?)
なら、彼が副作用の効果を打ち消す解毒剤など持っていないだろうか。
期待して、重い口を開こうとしたら先にこう言われた。
「まあ、効果が切れるまでどうしようもないし、静理にでも構ってもらえば?」
(え…?そんな…どうしようも、ないの…?)
「怠いのは前触れ。すぐにまた牙が欲しくなる。忙しいこの僕が、お前のために静理の部屋まで引きずってってやるよ。優しいだろ?感謝しろよな」
そのまま髪を引っ張られそうになり、慌てて起き上がる。
足がガクガクするが、どうにか壁に手をついて立ち上がった。
「なんだ。立てるじゃんか。けどこのまま行くよ。またぶっ倒れられても迷惑だし」
オーレリアンに髪の毛を掴まれたまま、小鳥は廊下をよろよろ移動した。