EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「で、俺のとこに連れてきたのかい…?」
「静理に任せとけば何とかなるでしょ?」
オーレリアンは静理に小鳥の身体を投げつけた。
それを抱き留めながら静理が溜息をつく。
「こうなってしまったら、俺だって面倒見切れないよ」
「嘘つけ。人間をどうにかすんのは得意だろ?」
それだけ言うとオーレリアンはさっさと退散してしまった。
「ハァ…まいったね。本当にこうなるとは…」
腕の中に残された小鳥を見て悩む。
気怠げな表情をしている彼女に、とりあえず話し掛けてみた。
「小鳥ちゃん、大丈夫かい?意識はある?」
「は…い」
「そう。ならソファーに横になれるかな?」
静理は三人掛けの黒いソファーに小鳥を寝かせた。
「白魔に薬を飲まされたんだよね。可哀相に。すぐに牙が欲しくなってしまうんだね」
可哀相と言っているが、静理の声はどこか冷たかった。
赤い瞳には蔑みがこもっている。
「牙なんて……欲しく、ないです」
気丈に振る舞ってみるも、小鳥は限界だった。
薬の副作用が、徐々に身体を支配していく。
「嘘はいけないな」
刺すような眼差しで小鳥の首筋を見つめると、静理は視線を下げた。
「首は吸われてしまっているから……今度はこっちにしようね」
スカートから覗く太もも。
尖った牙が肌に触れる。
「やめっ…!」