スカイ×ラブ
‡ 真実の扉 ‡
「ここは、どういうお部屋なの?」
まるで洞窟の様なゴツゴツとした壁から、金色の薔薇の花が何本も顔を覗かせています。
その光で、暗い部屋は黄金の輝きに満ち、その真ん中には
底が見えない程のヒスイの波紋を湛える、深い深い井戸の様なモノがありました。
『その水は、いけません』
姫が近付こうとした時に、慌てる風もなく、猫が静かに姫に言いました。
『覗けばすべて、姫のこれまでのすべてが、映りますよ…』
「ねぇ、私、まだアナタの名前を聞いていなかったわ」
井戸から離れて、姫は問掛けます。