私たちの音楽
桜の香

軽音部

桜が満開を過ぎて少し散り出した。
少し温かみがまして心地いい季節。

私、夢前 萌(ゆめさき もえ)は憧れの公立進学校天音高等学校(あまねこうとうがっこう)に入学した。

中学時代、2年生まで続けていた吹奏楽も'ある理由'で追い出された。
その理由を知りながらついてきたのは幼馴染みの渋谷 桜音(しぶたに はるね)一人だった。
いちばんついて来て欲しくなかった人物が同じ学校に通う、というのは正直嫌でしかなかった。

天音高等学校では、クラブにはいる人が大半だ。
桜音がいる以上吹奏楽部には入れないだろう。
また、追い出されかねないから。

そんな一抹の不安を感じながら憧れの制服を着て、1年A組の教室に入る。
教室には見慣れない生徒たち。

新しい日々と新しいクラスメイトとの日々が幕を開けた。
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