精一杯の背伸びを






 次の瞬間には、かぁ、と頭に血が上った。


 怒りでどうにかなりそうだった。


 息ができない。


 身体が震える。


 その名を平然と口にした、榊田君が許せない。


 憎い。


 憎い。


 憎しみが沸き起こる。


 もうどうしても止められなかった。




「……何が榊田君にわかるのよっ!?私は行きたくないって言った!!煩わしいって言ったよね!?それを無理やりっ!どっちが勝手よ!?どうして、あなたにそこまで言われなきゃいけないのよ!!」

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