精一杯の背伸びを





 怒りを抑えられぬ声が部屋中に響き渡る。


 朔ちゃんも小夜ちゃんもいるのに。


 どうしても止まらなかった。


 いきなり動き出した感情に呑みこまれた。


 涙が溢れる。



「ああ。今、お前を連れてきて心底後悔してる。こんな馬鹿助けるんじゃなかった」




 鋭い視線を一身に浴びる。




「私が、いつ、助けて、なんて言った!?全部、榊田君の、せいじゃない!!」




 心が動き出した。




「ねぇ?楽しい?私を振り回して?私、あなたに、何かした?」




 もうどうすることもできない。
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