精一杯の背伸びを
数ヶ月ぶりに会った友人たちは、当然ながらさほど変わりなかった。
久しぶりに会ったこともあり、お酒もないのに大いに盛り上がった。
私と同じく大学に進学した子、働き始めた子…
立場が違い、話題には事欠かなかった。
夜もかなり更けた頃、解散になり、家が近くの寛太と一緒に帰った。
寛太は私を小さい頃苛めた男の子でもあり、高校時代には付き合うようにしつこく迫られた男の子でもある。
あの時はかなり困っていたが、後輩と付き合い始めた今は懐かしく、笑い話でもあったりする。
その彼女が来年で高校を卒業し、二人で上京するとか。
寛太の近況報告を一通り終えると、私へずいっと興味津々な顔を近づけた。
「そういえば、仁兄も帰って来てるんだっけ?近所のばばぁどもが騒いでた」
「やっぱり仁くんが帰ってくると噂になるのが早いね」
「仁兄は目立つし、大が付くほどの人気だからな。ところで、お前ら付き合ってるんだろ?」
「へぇ!?まさか!!」
私が驚いた顔で寛太を見ると、同じように大きく目を見開いた寛太。