イケメン弁護士の求愛宣言!
「由依子ちゃん……」

息を切らしながら、唇を離した真斗さんがギュッと抱きしめた。

私も呼吸を乱しながら、その腕に安心しきったように体を預ける。

キスを終え、もうすぐ真斗さんと別れるのかと思うと寂しくて、やっぱりもう一度飲みでもいいから行けばよかったと後悔する。

「真斗さん、そろそろサヨナラしなきゃ……」

とはいえ、いつまでもこんなことをしているわけにはいかないし、それにこれ以上いたら本当に離れるのが切なくなりそう。

けっして本心じゃないけど、帰る素振りを見せながら体を離すと、真斗さんに腕を掴まれた。

「由依子ちゃん、明日会えないかな? なにか予定ある?」

少し焦るように引き止めた姿に、嬉しくなって顔が緩んでいく。

きっと真斗さんも、別れ難く思ってくれたんだって、うぬぼれてもいいよね……?

「大丈夫です。予定はありませんから」

だいたい週末はヒマで、一人でウィンドーショッピングをすることがほとんど。

なぜなら、彼氏持ちの友達ばかりで誘っても断られるから。

そんな休日ばかりを過ごしていた私にとって、真斗さんからの誘いは本当に嬉しかった。
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