イケメン弁護士の求愛宣言!
「そうだよ。なんで、そんなに驚くんだ?」

気を悪くしたのか、真斗さんはムスッとしたままサイドブレーキを引いて本格的に停車している。

「だ、だって、真斗さんなら、もっと高級感のある場所が好きなのかなって思ったんで……」

さすがに、しつこすぎたかもと後悔する。

このままご機嫌を損ねて、デート自体が中止になったらどうしよう。

もはや半泣き状態の私に、真斗さんはボソッと言った。

「美織を誘ったことがあるんだ。その時には、そんな地味な場所には行きたくないって言われた」

まるで拗ねた子どものような言い方に、私は気を取り直して耳を傾ける。

「そんな風に、言われたんですか?」

「そう。そのとき思ったんだよ。彼女のことは美人で賢くて、本気で好きだと思っていたけど、オレには違うって。オレさ、仕事柄やっぱり神経がすり減るんだよな。側にいてほしいのは、やり手の賢い女性じゃない。癒してくれる人なんだ」
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