イケメン弁護士の求愛宣言!
だけど、私の気持ちを知る由もない先生は、優しい笑顔を向けた。

「おはよう。なんだか今朝は、よそよそしいね。なにかあった?」

「えっ⁉︎ そ、そんなことはないですよ!」

さすが、鋭い……。

後ろめたくて、言葉に詰まったのを察しているみたいだ。

とはいえ、こんな場所で話せるわけがないし、真斗さんからも、しばらくは付き合っていることは秘密にしたいと言われている。

単に照れくさいかららしいけど、本当なのか少し不安……。

「ふぅん。そうかなぁ。ちょっと怪しい気がするけど」

いつになく来島先生は私に突っかかってきて、こっちもタジタジになってくる。

先生への罪悪感も感じるのに、心の中は真斗さんでいっぱいで、こんなやり取りすら彼に見られていないか気になってしまっていた。

誤魔化す意味もこめて奥へ目をやってみたけれど、真斗さんの姿が見えない。

デスクにも、書庫にもいなかった。

「今日は、真斗先生いらっしゃらないんですか?」
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