イケメン弁護士の求愛宣言!
おかしい……。

今日は休みだなんて聞いていないし、昨夜も『じゃあ、まあ明日』と言っていたのに。

当たり前に会えると思っていただけに、真斗さんがいなくてショックを受けてしまった。

「真斗は、朝から顧問弁護士をやってる企業に出向いているよ。それより、やっぱりオレのことを避けてるよね?」

黒ぶちメガネから鋭く光る先生の視線に、気圧されてしまう。

来島先生もキレイな顔立ちのイケメンで、見つめられるとドキドキする。

だけど、それは恋をすることとは違っていた。

「あの……、来島先生。お時間があるときにお話できませんか?」

先生に返事をしないまま、真斗さんと付き合うことにした私もやっぱり悪い。

ここはきちんと、先生に私の気持ちを伝えよう。

すると、先生はどこか無愛想に返事をした。

「分かった。じゃあ、今夜はどうかな? 遅くならないようにするから」

「はい……。お願いします」

こんなに機嫌が悪そうなのは、なにか勘付いてるからなのかな……。

『遅くならないようにするから』

そんな先生の気遣いが、今は胸を苦しくさせた。
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