イケメン弁護士の求愛宣言!
公休の耶恵さんの代わりに、経理業務やら先生たちの出張の切符手配やらで、今日は一日中仕事に追われていた気がする。

それでも、真斗さんがいてくれれば元気も出るというのに……。

「戻ってこなかった……」

帰り仕度をしながら、深いため息をひとつ。

まさか、ずっと顧問弁護士を務める企業にいたわけじゃないだろうし、そんなに忙しかったってこと?

だったら、昨夜そう言ってくれたらよかったのに……。

今日も会える、それを当たり前に思っていただけに、ショックも大きい。

「由依子ちゃん、仕度終わった? 行こうか」

来島先生に声をかけられて我に返ると、慌ててバッグを手に取った。

「は、はい。行きましょう」

真斗さんのことばかり、考えているわけにもいかない。

来島先生に、きちんと謝らなきゃ……。
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