イケメン弁護士の求愛宣言!
ヤキモチ
「真斗さん……。忙しいんじゃないの? 大丈夫? いつから、待ってたの……?」

少しでも顔を見たいだなんて、嬉しさで胸が熱くなる。

来島先生への罪悪感は消えていないけど、今は真斗さんへの恋心でいっぱいだった。

「仕事が終わって来たから大丈夫だよ。それに、待ってたと言っても三十分くらいだから。じゃあ、由依子また明日」

「えっ⁉︎ 待って真斗さん!」

せっかく会えたのに、このままサヨナラなんてイヤ。

身を翻して階段を降りようとする彼の腕を、とっさに掴んでいた。

「もう帰るの?」

寂しさが一気に込み上げてきて、どうやって引き止めようか、そればかり考えてしまう。

すると、真斗さんは振り返って気まずそうに微笑んだ。

「勝手に来たのはオレだし、疲れてるだろ? 由依子の顔を見たかっただけだから、帰るよ」

そんな……。

私は、一日中会えなかったことが寂しかったのに。

こんなにあっさり別れたら、ますます真斗さんを恋しく感じそう。

「真斗さん、会いたかったの。とても……。もうちょっとだけ、一緒にいて?」
< 140 / 301 >

この作品をシェア

pagetop