イケメン弁護士の求愛宣言!
「そ、そんな……」

たしかにそう思ったけど、素直に理解されると反応に困る。

そんな私にタケシくんは、穏やかな笑みを浮かべた。

「もっと、由依子ちゃんに自分を知ってもらうことから始めるべきだったんだ。実はオレ、ここの三階にあるメンズショップの店長してるんだよ」

「そうなの⁉︎」

だから、その出で立ちなんだと妙に納得。

驚きで目を丸くした私に、タケシくんはクスッと笑った。

「やっぱり、ただのチャラ男だと思ってたんだ? ねえ、由依子ちゃん。少し時間ある? 五分くらい」

今さら言い訳してもムダみたいだから、バツ悪く肩をすくめて頷いた。

「よかった。オレの店を紹介したくて。ちょうど休憩から戻るところだったから、由依子ちゃんも一緒に行こう」

「う、うん。休憩なのに、こんな場所をウロウロしてたの?」

彼に連れられながら、エレベーターを降りる。

ここはレディースのフロアだっただけに、ちょっと違和感を覚えた。

「また怪しいヤツって思った? レディースものの流行りも、チェックしてるんだよ。その方が、メンズものも提案しやすくて」
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