イケメン弁護士の求愛宣言!
タケシくんは真面目な口調で、お客さんの九割がカップルで、デート服を買いにくるのだと説明してくれた。

だから、レディースものにも詳しい方がスタイリングを提案しやすいし、トークも盛り上がるらしい。

そんな彼なりの勉強のために、休憩時間はレディースものを覗いたりするのだとか。

そう話してくれる彼からは、コンパの時のような軽い印象はまったくない。

誠実な仕事を頑張る男性、そんな風に写っていた。

もしあの日、今みたいな気持ちを持っていたら、真斗さんとバーで出会うことはなかったはず。

そうしたら、真斗さんと付き合ってなかったかもしれないんだ……。

いったい、どっちが間違ってたんだろ。

タケシくんの誠実さを見抜けなかったことが、本当は間違ってたりして……。

「こっち。エレベーター上がってすぐの場所だから、立地はいいと思うんだよな」

彼に促されるまま歩くと、カジュアルな店に着いた。

店内のベーシックカラーは黒色で、BGMはダンスミュージックだ。

周りも似たような店が集まっているけど、ここは意外にも品がある。

ただの軽い雰囲気のカジュアルとは違っていた。
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