イケメン弁護士の求愛宣言!
私がタケシくんの彼女なはずがないのに、どこまで親しい間柄なのか、真斗さんは確かめようとしてるんだ……。

自分は、私と付き合ったことを後悔してるんでしょ?

それなら、放っておいてくれたらいいじゃない。

真斗さんと視線を合わせ続けられなくて、避けるようにそらした。

「いえ! 由依子ちゃんとは、顔見知りって感じなんです。さっき、たまたま再会して……」

「そうなのか。じゃあ、遠慮なく彼女を連れて帰っていいかな? 休日だけど、急きょ仕事を手伝ってもらいたくて」

それにはタケシくんも、ふたつ返事をしている。

今から、本当に仕事を手伝わされるわけない。

きっと、私にいろいろ詰問したいんだわ。

「由依子ちゃん、休みなのに大変だね。もしまた会えるなら、もっと店の紹介もするから……」

タケシくんはそう言って、手際よくカウンターから一枚の紙を持ってきた。

それは彼の名刺で、店の名前と住所に電話番号、そして役職名である『店長』が印字されてある。

その下の余白部分に、タケシくんがボールペンでささっと書いたのは、携帯の番号とメアドだった。

「余計なものだったら捨てて」

彼が名刺を私に握らせると、同じタイミングで真斗さんが声をかけてきた。

「行こう」
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