イケメン弁護士の求愛宣言!
イライラしたように、真斗さんはハンドルを指で叩いている。

「なんだ……。私が真斗さんに意見したから、気に入らないのね」

「え?」

真斗さんの言葉を、そのまま返したい気持ちに駆られた。

『そんな風に言うなんて』って、私も言いたいくらいだ。

「だって、真斗さん全然分かってくれないんだもん。私は真斗さんに、私と付き合ったことを後悔してほしくないから言ってるのに」

「後悔……?」

怪訝な顔をした真斗さんを見て、「違うの?」と聞こうとしたとき、彼のスマホが鳴り始めた。

「はい、内野です」

なんてタイミングが悪いんだろう。

肝心の真斗さんの気持ちも聞けていなくて、険悪な雰囲気のまま会話が中断してしまった。

どうやら仕事の話らしく、「すぐ資料を作りますから」と言って電話を切っている。

「真斗さん、仕事? 私も手伝うけど……」

スマホをジャケットの内ポケットに入れて、真斗さんは私に目を向けた。

「いいよ。悪いけど、ここで降りてくれるか?」
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