イケメン弁護士の求愛宣言!
驚きで目を見開くと、来島先生はちょっと照れくさそうに頷いた。

「オレたち、いわゆる青春時代を勉強に費やしてたから。たぶん、同年代の男に比べても、かなり恋愛経験は乏しいと思うよ」

「そうなんですか……。でも、妙に納得です」

言われてみれば、どれくらい勉強したら弁護士になれるか、それくらいは分かってる。

恋愛どころじゃない時間を、真斗さんも来島先生も過ごしていたんだと改めて感じて、真斗さんたちを尊敬せずにはいられない。

「だから、人の話に簡単に振り回されるんだよ。由依子ちゃんも、美織の話を鵜呑みにしちゃいけない」

耶恵さんから聞いた話や、美織さんに言われたことを話したときから、来島先生は険しい顔をしていたけど、今はほとんど呆れている。

「はい……」

だから返事をするのが精一杯で、小さくなるしかない。

「真斗もだけど、ふたりがきちんと話をすれば、簡単に解決できる問題だろ? 美織に性格見透かされてるよだよ」

深いため息をついた来島先生は、今度は恨めしそうに見た。

「オレ、結局ふたりの恋を応援してるみたいになってるよな」
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