イケメン弁護士の求愛宣言!
「あっ……」

そう言われて弁解の言葉を探していると、来島先生が手で制した。

「いいよ。諦めたから」

いつもの冷静な雰囲気で言われてしまい、一瞬聞き流しそうになった。

「先生……?」

なんて言えばいいんだろう。

先生の気持ちに応えることはできないけど、そこまでアッサリと言われて戸惑う自分がいた。

「オレさ、性格的にか職業病か、白黒ハッキリつけないと気が済まないタチなんだよ。好きな子を奪えない、そう思ったらきっぱり身を引く」

「先生……」

そういうところ、来島先生らしい。

私はただ微笑むしかできなくて、目の前のランチを口にする。

来島先生もしばらく無言で、そしてふと言った。

「だけど、由依子ちゃんを好きなのは変わりないし、だからこそきみの幸せを望んでる。ただ、ちょっと真斗には意地悪したけど」

「えっ? 意地悪……ですか?」

先生の優しさに心が温かくなりつつ、最後の言葉が気になった。
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