イケメン弁護士の求愛宣言!
さすがに、このまま聞き流せず、彼の体を押し返した。

「まさか、美織さんの言ったことを本気にとったの?」

わざと真斗さんを睨むと、弱々しくうなだれた。

「ごめん……。心底そう思ってたわけじゃなかったんだけど、オレの周りにはそういう女性が多いから……」

『そういう女性』というのは、きっと真斗さんの肩書き目当てで、近寄ってくる人のことなんだろうな。

だから、疑心暗鬼になる気持ちも分かるし、私も遠距離で彼にフラれた身だから、いちいちネガティブに考えてしまったところもある。

真斗さんの気持ちだって、分からなくもない……。

「分かったわよ、真斗さん。私も悪かったから。美織さんの話を鵜呑みにしすぎてた。ごめんなさい」

美織さんは、さすが検事だけあって、言い方に妙に説得力を感じるというか、有無を言わせないオーラを放ってる。

そんな彼女のマジックに、真斗さんまでかかるんだから、なんだかもう笑いが出そうだ。

「オレも鵜呑みにしすぎてた。秀一にもダメ出しされたよ」

「えっ? 来島先生?」

突然出てきた来島先生の名前に、私は一瞬キョトンとした。
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