イケメン弁護士の求愛宣言!
だけど、なんで来島先生が、そんなことを言い出したんだろう。

私への想いを諦めると言ったときの先生は、大人の男らしい潔さを感じたんだけどな……。

まさか、嫌がらせなはずはないし……。

隣の真斗さんにチラッと目を向けると、どこか考えごとをしているようで目を宙に向けている。

「僕も来島先生が由依ちゃんを好きなんだろうとは気づいていたし、実際そうだったんだよね? いろいろ私情もあるだろうけど、先生の言い分も一理あるし、ここは我慢してくれないか?」

『ごめんね』と言わんばかりに片手を顔の高さまで上げた先生は、「仕事、仕事」とそそくさと出ていった。

ふたり取り残された部屋で、真斗さんはずっとなにかを考えているらしく、心ここにあらずになっている。

いろいろ聞いてみたいけれど、あまり長くここにいては変に思われそう。

そう考えて立ち上がると、真斗さんもつられるように立ち上がった。

「秀一が、オヤジにまで自分の気持ちを言ってるなんて意外だったな。残念だけど、プライベートではたくさん一緒にいよう」

真斗さんはそう言って小さく笑うと、先に部屋を出ていった。
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