イケメン弁護士の求愛宣言!
結局その日は、真斗さんと接近できたのはそれっきりで、それほど広くない事務所なのに、彼とはほとんどすれ違っていた。

特に今日は、先生たちの出張が控えてるのもあり、新幹線の切符を買いに行ったり、裁判所への書類提出があったりと、私自身も外出が多かった。

「想像以上に真斗さんの顔が見れないものなのね……」

帰宅し、夕飯もお風呂も終えてベッドで一息つく。

事務所を出るときには真斗さんはいなくて、せめて彼の顔を見てから今日一日を終えたかった。

「電話、してみようかなあ……」

スマホを眺めても、真斗さんからの連絡はきていない。

顧問弁護士の仕事が忙しいから仕方ないけど、せめて声くらい聞きたいのに……。

だけど、ワガママを言ってはいけない。

絶対に真斗さんの足を引っ張らない、そう決めたんだから。

「よし! メールにしよう。それなら迷惑にはならないだろうし」

シンプルに『お疲れ様。また明日』、そう送ろう。

それなら、急いで返事をしなければいけない内容じゃないし、真斗さんに負担をかけないはず。

そしてメールを打ち始めたとき、チャイムの音がした。
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