イケメン弁護士の求愛宣言!
「でも、コンパには来てるじゃん? やっぱ、彼氏作ろうと思ってるんでしょ?」

飲みかけていた氷が溶けて薄まったおいしくないカクテルを、思わず吹きだしそうになった。

「違う、違う。今日は、頭数合わせで来たのよ。本当は来るはずだった女の子が、用事ができて来られなくなったから……」

と言い訳をした途端、彼はムスッとして「あっ、そう。じゃあ、ひとりで飲んでた方がいいね」と言って、席を移動してしまった。

かわいくて、女から見たらぶりっ子な嫌みたらしい女子に、声をかけている。

どうやら、『頭数合わせ』が気に障ったらしい。

あの言葉を口にした瞬間、彼の表情がみるみる険しくなったから。

こんな私でも、少しは興味を持ってくれていたのかな……。

ちょっと悪かったかも、と反省したものの、今日のメンバーで彼氏を作る気にはなれない。

だいたい、頭数合わせで来たのは本当のことだし……。

このコンパの幹事でもあり、大学時代の同級生の夏帆(かほ)は、座敷の奥の塊のなかでご機嫌よく盛り上がっていた。
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