イケメン弁護士の求愛宣言!
「真斗さん……。どうしたの? いきなり……」

ドアは自然と閉まり、サンダルにルームウエアの姿の私を、真斗さんは黙ったまま抱きしめ続けた。

ドキドキする気持ちも感じながら、なにも話さない彼が心配になってくる。

「なにかあったの? ご飯は? ずっと仕事だったんでしょ?」

すると、真斗さんがようやく口を開いてくれた。

「食べてきた。それより、由依子に会いたかったんだ。誰もかれも、由依子が好きなんだな……」

「えっ? なんのこと?」

いったい、真斗さんはなにが言いたいんだろう。

わけのわからないまま、少し混乱気味の私を真斗さんはそっと体を離して見つめた。

優しく見下ろすその眼差しに、心がほんわか温かくなる。

「今日も仕事でタケシくんに会ったよ。本当、たまたまだったんだけど、彼、かなり由依子を気にしてた」

「タケシくんが? そうなんだ……」

今、真斗さんの一番の仕事はあのビルを経営する会社の弁護だものね。

頻繁に出入りするみたいだから、タケシくんに会っても不思議じゃない。

「由依子に連絡先を渡したろ? 電話もメールもくれないって落ち込んでた」

タケシくんが、それほどまでに私を気にかけてたことに驚きだ。

普通にモテそうな感じの人だし、とっくに諦めていたと思っていたのに。

「だけど、私は連絡をするつもりないから。タケシくんに、変に期待を持たせる方が不誠実でしょ?」
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