イケメン弁護士の求愛宣言!
「真斗さん……。ありがとう。大好き……」

思わず彼に抱きつくように体に手を回すと、苦笑いをされてしまった。

「そんなことをされると、我慢できなくなっちゃいそうだけど」

「えっ⁉︎」

自分から抱きついたくせに、なんだか急に恥ずかしくなって、パッと手を離した。

そんな私に、真斗さんは優しい笑みを向ける。

「お邪魔します」

靴を脱ぎ、部屋の奥へ進む真斗さんの背中を見つめていると、愛おしさが増してくる。

きちんと手入れをされたスーツは、クリーニングに出しているんだろうけど、それですら多忙な真斗さんにはきっと大変だろうな。

そんな想像に駆られてしまい、小さなことでもいいから、彼の支えになりたいと思ってしまった。

「真斗さん、私で力になれることはない?」

ふと呼びかけると、真斗さんが振り向いた。

「どうしたんだよ、急に。また誰かになにか言われた?」

穏やかに笑みを浮かべる真斗さんに、私はゆっくり首を横に振った。
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