イケメン弁護士の求愛宣言！
そして、ゆっくり真斗さんの側へ歩み寄ると、彼を見上げる。

「私ね、元カレとは学生時代から付き合って、そのまま遠距離になったじゃない。だからか、彼を支えるというより、一緒に楽しい時間を過ごしたいっていう気持ちの方が大きかった気がするの」

ひとつひとつ、ゆっくり言葉にすると、真斗さんは真剣な表情で聞いてくれた。

そんな彼の反応に少し安心した私は、さらに続ける。

「だからなのかな……。勇一に浮気されちゃって、あっさりフラれたのは。彼にとって、私の存在はそんなに大きくなかったのかもしれない」

今思えば、自分自身思いやりに欠けていた気がする。

そんなことに、真斗さんと付き合うまで分かっていなかった自分が情けない。

「由依子にとって、彼は本当に好きな人だったんだな。分かっていても、やっぱり妬けるよ」

愛おしく髪を撫でてくれる真斗さんに、私は笑顔を浮かべた。

「うん、好きだった。でも今は、勇一よりずっと好きになれる人に出会えたから。真斗さんこそ、美織さんに未練はないの？」

本気で思っているわけじゃないけど、自分への気持ちを再確認したい気持ちもあったかもしれない。

ちょっと意地悪な質問をすると、真斗さんは困ったように苦笑いした。
< 204 / 301 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop