イケメン弁護士の求愛宣言!
「いつかの耶恵ちゃんに見られたやつのことを言ってるんだろ? 美織の気持ちは分かってるけど、オレは彼女に未練はない。それはキッパリ言ったよ」

「だけど初めて会ったとき、フラれたって言ってたよね? あれは美織さんのことだと思ったけど……」

たしかにそう言ってた。

だから、私と話せて楽しかったとも。

あのときは、恋人と別れて寂しさがあるのかなと思ったんだけどな……。

すると、真斗さんは少し慌てたように弁解した。

「美織とは話し合いで別れたんだ。ただ、結果的には彼女からケリをつけたから、ああいう言い方をしただけでさ。未練があるとか、そんなんじゃないよ」

「ふぅん。その割には、美織さんがピッタリくっついてたんだよね?」

ニヤッとした私とは対照的に、真斗さんはどんどん小さくなるようにうなだれた。

「あれも、もちろん拒絶したんだけど、どうも強引だったというか。人前なのもあって、あまり派手に拒めないだろ? やめろ!とかさ……」

「そうだったんだ……。だけど、真斗さんって、案外そういう押しに弱いのね」
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